単品管理

メーカーも卸店も、原料高のこのご時世、利益の単品管理が主流になってきた。今までは、たとえば卸店Aにおいて、メーカーBとの商品売買が最終的にトータルでプラスであれば、どの商品を取引してもよかった。それが昨今はトータルがプラスであっても、売買する1品1品までプラスにしないといけない風潮だ。単品で赤字が出るというのはつまり、卸店にとってみれば商品を消費者に運べば運ぶほど利益がマイナスになる。食品業界には驚くなかれ、まだまだこういった商売がまかり取っているのだ。


なのでよく、メーカーが力を入れて売りこみたい商品なんだけれども、卸店がそれを売ってしまうとマイナスになってしまうので、売りたくない、あるいは売れないという状況がうまれる。メーカーは、小売店だけでなく、卸店が儲かるような仕組みまで考えてあげなければならない。


たとえば今自分が勤めている会社の物流コストは他社に比べて安くなるという。それは商品の荷姿にヒントがある。加工食品はバラが集まりケースとなって運ばれるが、商品によって1ケースあたり何個入っているかが異なる。うちの商品はバラの単価が高い上に、1ケースの入数が多いのでケース単価も高くなるのだ。例えば飲料は大きく、重くかさばるので、2リットルのものだと1ケースには6本くらいしか入っておらず、ケース単価が安い。1回あたりに運ぶ量を考えたら、どっちがより多くの「お金」を運んでいるかが一目瞭然だろう。


とまぁそんなこんなで、実際は消費者に美味しさを届けたいしそれが食品メーカーとしての使命なのに、その前に立ちはだかる問題がまだまだあるんだなぁ。もっと消費者のことを考え、消費者に売ることに集中したいものだ。