たまには政治家の話を聞いてみる

グロービスCEOの堀氏、自民党佐藤ゆかり衆議院議員民主党鈴木寛参議院議員が、「国を支える価値を創る〜一人ひとりの日本ブランド戦略〜」というお題でパネルディスカッションする講演会に行って来た。順調に始まると思いきや、鈴木氏が1時間の遅刻、小沢氏の問題でちょいちょい緊急のミーティングがあったらしい。堀さんが「結局小沢さん辞めるんですか?」ともろに突っ込んで聞いていたが、さすがにお茶を濁した返答だった笑。


さて内容だが、かなり面白かったように思う。

日本の強み

法治国家組織力、勤勉、わびさび、奥ゆかしさ、謙虚さ。日本らしいやり方で世界に存在感を示したらいいと思う。例えば「静かなリーダーシップ」、仲を取り持つような、世界の利害調整役等。しかし使い勝手の良い国家と思われたらだめ。

日本のブランド力

低下傾向なのが「政治力」「相対的な経済力」
増加傾向なのが「安全」「文化」等のソフトパワー
ではなぜそのソフトパワーが強くなってきたのか。それは戦争のない平和な60年間があったからではないか?その例として、Wikipediaの検索上位語を上げていた。フランスのWikiでは政治関連の検索がトップ10を占めるのに、日本ではマンガとエロがトップ10なのだそうだ。いかに平和であることか涙。

首相や閣僚のぶら下がり会見は辞めた方がよい??

もちろん事前に何を言うか考えてから臨んではいるだろうが、ほぼ毎日記者に囲まれてコメントする場があるし、しかもその時のコメントが全世界に発信される。酩酊会見も然り。そして記者の方も稚拙な質問をしてワイドショーのネタ探しになっている。「首相は給付金をもらうんですか?」「バーはいくらするんですか?」。本当に国民が聞きたいことを聞けていない。海外では首相が発言する機会は戦略的に限定されていて、それだけに一回一回の発言に重みがある。

東京メディカルコリドール構想

鈴木氏が提唱。東京駅〜新宿駅の中央線沿線のメディカルの集積を目論む。人口は減るけど、高齢者人口は増える。ということは医療や介護の分野で技術革新が進むということ、これは日本の大きな強みになる。医療や介護が発達すると、医療機器や医薬品の需要が生まれ、機器や薬などのハードの発達はそれを扱える人材やハードとソフト(医療や介護)を結びつけるコミュニケーションを創出する。今までと異なり、サービス業を支える製造業が生まれる。

弱みを強みに

日本人はアピールすることが苦手。だったらそれはそれでいいんじゃないか、という堀氏の発想。日本人が日本人のまま、文化を大切にしながら発展していったら、日本人の良さは海外の人がある意味勝手に見つけてくれる。現に、日本にやってくる外国人は日本の雰囲気や元来持つやさしさに触れる経験をしたがっていて、例えばスキー場で英語も通じないペンションや旅館に泊まる外人は日本ならではのおもてなしを受けたく、アニメが好きな外人は日本語の原書のマンガを手に入れたく、満員電車に載る外国人は日本独特の経験をしたいのだ。つまりこちらが発信しなくても、価値を感じていてくれる部分があるのだ。


佐藤議員も鈴木議員も政治の世界ではまだまだ若手。でもその志を聞く限り、日本も捨てたもんじゃないと思えたし、政局は今どうなるか全く読めないけど、とりあえず自分のできることを頑張ろうって思った。